[星の降る夜、自分は生まれた。そう両親から聞かされた時から、流れ星は自分にとって特別になった。ニュースで聞く度にわくわくして、そんな様子を両親に笑われた。あの頃は本当に、純粋だった。幾年か経ち、中学生になったお祝いにと、天体観測へでかけた。近場に良い場所があるのだと、連れられて。夜の闇がとても濃く、深い日の事だった。車の中からでも見れた星は、きらきらと輝いていた。街中では見れないような、はっきりとした星の光に夢中になって。強い衝撃と共に、車ごと宙を飛んだことに気づいたのは、もう地面が間近に近づいた頃。―――星の降る夜、両親は星へと還った。そう親戚から聞かされた時から、流れ星は自分にとって更に特別になった。]
(22) 2015/11/14(Sat) 10時頃