戦闘の技術が無い分、知識を蓄えることに労を惜しまなかった結果として、己が修めた分野は多岐に渡る。
秘密裏の組織はその分人員にも限りがあり、与えられる裁量も多い。つまり己は正しく、組織にとって必要な人材となったのだ。]
……苦しそうだね。
でも、今はそれ以上に強い薬は無い。
[>>16言葉に偽りはない。
今、キルロイに投与されている薬は、彼の紋の効果を押さえる成分が最大限に配合されている。]
もしかしたら、紋の働きが活性化しているのかも知れない。
少し、見せて。
[あくまでもキルロイの様子を伺う姿勢を崩さず、腕を振り払われないのを良いことに、空いた方の手をキルロイの首に伸ばそうとする。
伏せられたままの顔はそのままに、黒く短い髪を梳くように指先に絡め、指の腹で頬をなぞり、耳朶を擽り、焦らすような手付きで、ゆっくりと。
彼の視線が己の下半身に向いていることは分かっている。
彼に刻まれた紋の作用の所為だろう。]
(22) 2016/06/07(Tue) 10時頃