[はあっ、と大きく息を吐いた。
ユリの治療は一段落した。呪いと怪我で体力を激しく消耗しているが、山は越えた。一命は取り留めた。
まだ意識は戻っていないが、それは仕方ない。怪我は治した。あとは、ゆっくり眠って体力の回復を待つしかないだろう。
先生の休んでいたテントに、ユリを運び込む]
フィリ君は……どうしたのです……?
[額の汗を拭いながら、もうひとつのテントの方を振り返った。それはミームが勇者様を運び込んだテントで、フィリップは今そこにいるはずだ。
止めたミームに対して、大丈夫ですよなんて、敬語の直らないフィリップは言っていた>>7が、ぶっちゃけミームはそんな言葉全然信用していない。
魔法に関わる者ならそんな言葉が信じられるわけがない]
口では敬っても、全然ミームのこと、尊重してないのです。
[正直疲れていた。先ほどの戦闘は過酷を極めたし、ユリの容態も予断を許さなかった。先生から貰った薬で回復した魔力も、再び空に近い。
それでもミームは足を運ぶ。いつもより頼りない足取りで、テントに向かって]
(21) takicchi 2015/05/03(Sun) 01時頃