[ 広間はどんな光景だっただろう。
憤怒の部屋に向かうが、"嫉妬"の少女を視界に入れることが叶えば、当然そちらに行こうとする。
"強欲"もまたそこに居たのか?
もしも彼女の近くに……3m程度以内の位置に存在を認められたなら、その組み合わせだけでカッと頭に血が昇る。例え相手が何もしていなくとも、何もする意思がなくとも。激しい剣幕でナイフを出し真っ直ぐ彼に向かって駆け出す。
最早他のことなどどうでも良く、進路に"色欲"が居たなら邪魔だと突き飛ばしただろう。
それよりは離れて居たのなら、頭に血が昇るのは変わらないものの、武器を手に駆け出すほどではない。深く息を吸い、そして吐き出しては、ツカツカと歩み寄る。その目は座っていただろう。
その前に連れ去られでもしていたなら、部屋で穏やかに眠る彼女を想像して、呑気にも表情を緩めて憤怒の部屋に入っていく姿があるのだろう。]
(21) 2016/03/02(Wed) 19時半頃