―昨晩・食堂―
[ヤニクが血の蛇に拘束され、慌てている声を聴いていた>>5。声だけではいまいち何が起こっているかは分からなかったが、ヴェスパタインが力を遣ったのだろうかと辺りを付ける。その間もひっきりなしに情報は頭に入ってきていて。
だから、近くに来ていた気配に気づかなかった。何かが駆け寄る音で>>10、初めて侵入者の存在を知る。]
……!……え?犬、じゃないような……
[普通の犬には見えない。けれど、こんな感じの生き物を何処かで見たことがある気がする。首を捻っていると、そう間を置かずラルフが姿を現した。]
あれ、どうし……
[声を掛けようとして、褒賞……ではなくなったのか、新たに仲間になった彼に自然な動作で近づく彼に、胸がす、と冷える。が、表情に出すこともなく。]
え、いや、別に僕のって訳じゃないけれど……
[頓珍漢な答えを返して、二人を見送って、そうしてああ、と嘆息する。]
あの犬、トレイルから借りている伝書鳥に似ているんだ。*
(21) 2014/02/02(Sun) 11時頃