[混乱から醒め、漸く状況を認識出来たのは。セシルを抱えた青年が、再び此方の方へ来た時] …………え? 鎖?って。ほら、これ……。[不思議そうに首を傾げる青年に、左腕を戒める緋色の鎖を――尚も怪訝な表情をされたら、気付くだろう。この鎖は、他者に見せるべく被せられた茨の罪冠ではない。この罪の烙印を刻みし魂、自分のみに視える、心の鎖なのだと]
(21) 2013/09/30(Mon) 03時頃