[ 結果としては、扉を開けても同じ、 窓越しに見るのと同じ、不思議な光景が。 音と、香りと、光と、そのほか諸々を、 より濃厚にして教室内に運んできただけだった。 僕は、どういう表情をするべきか考える間もなく、 刻み込んだような笑みを浮かべたままで、 廊下のほうに、ぐいと身体を乗り出した。 首を出して、左右を確認する。 ……ええと、隣のクラスからいいにおいがする。]
(21) 2019/06/08(Sat) 01時頃