[ソフィ、と呼びかけられた女が広げられた手紙を四つに畳む。遮られた日光がテーブルに陰を作っていた。
短くなった煙草を灰皿に押し潰したアシャと呼ばれた方は、新しい煙草を取り出してマッチを擦る。
その身に覚えの無い"Dear"を、ただのイタズラとして済ませるのは少々味気ない、とでも思ったのか。]
ねぇアシャ、どう思う?
「……十中八九イタズラだぜ、でなけりゃ詐欺か。あれは御伽噺だしな。
ただ___________、一つ言うなら。
これ、お前のと同じだろ?」
[アシャに掴み上げられた紙がひらひらと揺れる。それを軽く投げあげたアシャは、未だ火が消されていないマッチをこれまた軽く、落下中のそれに向かって捨てる。
煌々と燃え盛る折り鶴だったものは、速度を上げて落下し、彼女に踏まれることでその生を終えた。粉々の残骸はまだ仄かに赤い。]
(21) 2017/08/31(Thu) 03時頃