― ビル上層部 ―[そこは硝煙と黒煙で染まっていた。綺麗に並んでいたであろうデスクは壁側へと追いやられ、代わりに置いてあるのは人型の黒炭であった。こつ、こつとその中央を歩く一人の影。既に割れてしまっているが、一面ガラスで、外を見下ろせる壁の方へとゆっくり、一歩、一歩。そこには一人の男性が皮膚に火傷を負い、倒れた状態で震えていた。]可哀想に、寒いんだね。僕が愛してあげる。[マスクの奥から聞こえる声は変換されていて、そこから性別の判別の難しい。その者は震える男を優しく、愛おしそうに抱きしめる。]
(21) 2015/02/09(Mon) 11時頃