[――それでもまだ。まだ。彼に対しての感情は、新しい兄が増えた。それくらいのもので。きっかけは、何だったか。自分の知らない世界を知っている年上の人へ。気難しい猫が懐いてくれるのを喜ぶような、稚拙で微笑ましい羨望と敬意が。醜く乱暴な、劣情を孕んだ恋患いへと変化したのは。]
(20) 2015/11/12(Thu) 01時半頃