―図書室―
[周囲に誰かいないかを確認して、ソロリと図書室の扉を開ける。小さく空いた隙間に体を滑り込ませ、モニカは図書室へと侵入した。向かったのは、この前見ていた棚の前。一番厚い本を取り出し、とあるページを開く。そこには、幾重にもティッシュにくるまれた何かが挟まっていた。]
秘密秘密、っと。
[先生に知られたら、当然怒られてしまう。そうなったら食べる物が減らされてしまうかもしれないし、寝る時間になっても怒られるかもしれない。それは嫌だ。
静かにティッシュを一枚一枚取り除くと、そこには一輪の花があった。本の重みに潰されて平たくなっているが、形は綺麗に残っている。
それにそっと触れながら、モニカは小さく唸った。]
もう少し、かな。
[新しく持ってきたティッシュに花をくるみ直し、再び本に挟む。そしてその本を元通りに戸棚に戻した。]
早く出来ないかなあ。
[浮かれたように呟いて、少女は静かに図書室を出て行った。**]
(20) 2014/12/18(Thu) 17時頃