―5月1日 早朝 第二封鎖線―
>>17
[メールの文面を幾度も読み返した。幾度読んだ所で納得できる筈がないのを知りつつ、最早目に映る文字は意味を成さない記号の羅列にしか見えないと知りつつ、またそれを繰り返した。文字を追う事に疲れ果てた視線を窓から覗く白み始めた淡紅の空へと移す。無性に外の空気が吸いたくなった。彷徨い歩いて辿り着いたのは無機質に張り巡らせた鉄条網の境界。靴の底で乾いた音を立てて枯れ葉が崩れた]
……ん?
なんだアレ…おい、んなトコで何やってんだよ
答え次第じゃ、しょっ引くぞ
[薄靄に霞む先、長身の…男と横たわる人影。脳裏に過ったのはまず犯罪、そして次には人狼病。肌身離さず身に着けているホルターへと指を滑らせ冷たい相棒を引き抜く。トリガーに掛けた指先が少しばかり震えているのは眠気のせいだと心の中嘯いて、銃口を男へと突き付けた]
(20) 2013/07/17(Wed) 03時頃