___________ブリージングの首飾り?
「そう、有名なヤツ。お前も知ってるだろ」
[女が二人。片方は小柄で、大人しそうな顔立ち。片方はスラッとした体つきで、顔は男勝りと言うべきだろうか。咥えられた煙草と、殻の溜まった灰皿が大柄な方に寄せられている。マッチの残りは少ない。]
うん、昔読んだよ。願いを叶えてくれる宝石だよね?
「それを手に入れた魔術師のお陰でこの世に魔術師はもういないって訳だ。人の業だねェ」
[カフェの一席に解かれた折り鶴。折り跡のついたそれには、整った字で『Simon Howard』と書かれていた。小柄な方がそれをまじまじと見つめる。]
……この人って『鴻鳥の置土産』にいた人だったりする?私知らないんだけど……。
「知らない名前だね。そもそも飛んでくる奇妙な折り鶴を作る知り合いなんていない。お前に飛んできたってんだからてっきりアタシはお前の知り合いだって思ってたぜ?ソフィ」
ん〜……、アシャまで知らないのかぁ。
(20) 2017/08/31(Thu) 03時頃