-回想・>>6:82-
[大男が去り、輸血の準備を終え、いざ輸血を始めようと思ったそのとき。
軋んだ音を上げ、診療所の扉が開く。
訪問者は、道を聞いた時に睨まれた青年だった。
青年はテッドを気にすることなくベッドまで向かい、何事かを呟いた。]
『…お医者さん、だったんですね。』
…う。えっと…これは…その…
[フリーライターと名乗った男が、こんなところで輸血バッグなんぞ持っていた日には嘘がばれることは明らかだった。
言いわけを考える前に、青年に手紙を渡される。]
『……有難う御座います。』
[シーシャの知り合いだったのだろう。治療の礼として、頭を下げられた。もし知っていれば、シーシャの彼自身血液型と、あとは過去に彼に輸血したことがあるかを聞いただろう。
そのどちらもクリアしていれば、献血をお願いするつもりだった。]
-回想・了-
(19) 2013/09/16(Mon) 03時半頃