[鮮烈で短めの『星と歴史:第四楽章』に続き、緩やかで切々と奏でる『進めた歩の先に道は無し』、アイライトの持つ曲の中で最も希望を感じる『我々の英雄:第一楽章「夢」』と三曲、途中ただ曲名だけを声にしながら彼女は演奏し続けました。
終えた時には艶やかに輝く光の汗がアイライトの額や頬や首筋を伝って落ちていくばかり。乱した彼女の呼吸の音だけ響く静寂が訪れました。
その静寂の中で、演奏に使われた光の粒たちが形作る天井は煌々と……まるで美しい夜空のように観客達の視界に映ったことでしょう。]
(……)
[感慨は、ありました。何故だかアイライトの心が、音が、ちゃんと誰かに伝わった気がしたのです。
それをしっかりと胸に感じたまま、最後に光る指先を腹の辺りから一直線、天井へ向けて光の筋を伸ばします。
そうして一拍、二拍、三拍……開いた手をぐっと閉じました。]
{Kwaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa........n..!}
[ぱっと夜空は弾け飛び、一点して真っ暗闇へ。
それはとても哀しく、寂しい光景に思えましたが、トリンクルの楽団は必ずこうして演奏を終えます。]
(19) 2015/01/08(Thu) 01時半頃