― 裏路地 ―
[流れ出る赤で視界が悪くなるため、
マスクは付けることなく彼と初めて会った時の素顔のまま走る。
この先に愛しの彼が居ることを信じて疑わない様に、
彼女は両手にスイッチ式の爆弾を持つ。
もうこの世でじっくりと愛す時間が無い事を悟っていた。
大体の方向を頼りに曲がり角を一つ、二つと進めば、
ついに辿り着く愛しの赤い姿。]
見つけたよぉ!
ごめんね?ちょっと準備とかタイミングとかみてたらこんなに遅くなっちゃったよ。会えなかった分いっぱい愛してあげる。だから君もいっぱい愛してほしいなって。あ、この血は気にしないで。真剣に愛してくれる人には真面目に返してあげないと悪いじゃない?だからしっかりと受け止めてあげたんだ。嫉妬したりしちゃう?ごめんね。でも君が一番だからね!
[顔面が赤い血で装飾されたまま、
抱き付こうとそのまま走り続ける。]
(18) 2015/02/15(Sun) 16時半頃