―5月4日朝7時、町役場前広場―
…にしても投票か…どうするかな…
[熱っぽい身体を引きずりながら、投票所までは来てみたものの、パティは字が書けない。
いつも仕送りをするときのように、代筆を頼むか。
投票先は自分でなければ誰でもいい。
幸いにも、自分の名前だけは読めるので、勝手に自分の名前で投票されるなどということはないだろう。
しかし、投票の代筆なんて、引き受けてくれる人がいるのだろうか。
途方に暮れていると、少し露出の多い服を着て、濃いめの化粧をした少女の姿が目に入る。>>11
プライドがどうこうなどと言っている場合ではない。
行動を起こさねば、自分が殺される。
一か八か、頼んでみるか。]
…あんたも、投票に来たんだろ?
頼みがある。あたしの代わりに、記入してくんないか?
[パティが知るはずもないが、ペンを握ることすらためらっているその少女は、この言葉を聞いて、どんなふうに思うのだろうか。]
(18) 2013/07/25(Thu) 02時半頃