人狼議事

162 冷たい校舎村3-1


【人】 匿名軍団 ゴロウ

[助けを求めるつぶらな瞳が、こちらに向けられる。
それに気付いてしまったのだから、無視してしまえばバツが悪い。
遅刻ギリギリならば葛藤はしただろうが、時間にはまだ余裕があった。
家族に倣って早寝早起き健康生活を続けていたのが、こんなところで役に立つとは思わなかった。

スポーツバッグを放り出し、靴を脱いでざぶざぶと用水路に浸かっていく。
思ったより浅く、長身も役立って進むのには苦労しない。溺れかかっていた猫のところへはすぐに辿り着いた。
片腕で抱えて水から上がり、バッグから取り出したタオルでしっかりと拭いてやる。

猫は、にゃあん、と小さく鳴いて、元気そうにトコトコと歩き去って行った。]

…………ふぅ。

[溜め息と共に噛み締める、ほんのちょっぴりの、いいことをしたという達成感。
それと引き換えに残ったのは、膝から下がずぶ濡れのズボンと靴下。

後先考えない性分なのが、どうやら俺ということらしい。
足元からびちゃびちゃと嫌な水音を立てながら、仕方無しに学校へと向かう。

仄かに苛む頭痛も含めて、いつもと変わらない日常。**]

(18) 2015/06/17(Wed) 01時半頃

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