−巨大書庫−[書庫の奥、滅多に人目につかない窓際の席。温かな陽の光。小鳥が囀る声。耳を傾ければ、幼い少女たちの声も聞こえるだろうか?気が付けば本を片手にまどろんでいたようだ。ぼんやりと開いた視界には、夢の名残が綿毛のようにふわりと漂っている。それは風に運ばれて、開いたままの窓枠へ着地した。それを餌かなにかと間違えたのか。外から飛んできた小鳥が窓枠に止まり啄んだ。] ……悪いね。 君のために、パンを出すことはできるけれど。 私のパンでは、君の空腹を満たすことはできないんだ。[そう語れば、小鳥が無垢な眼差しを向けて小首をかしげた。私は小鳥に、パンを与えることはできる。白く、柔らかい、焼き立ての仄かに甘いパンを。]
(18) 2015/10/05(Mon) 00時半頃
sol・la
ななころび
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