― 廊下 ―
[廊下を歩いているだけでも、組織はほとんど壊滅状態だということが見て取れる。辺りを埋め尽くすのは呻き声や嬌声、水音、肉を打ちつけ合う音。
壁には触手が這いずり回り、あのビルを思い起こさせる。
あらゆるディスプレイが下劣なAVを映し出し、仲間の咆哮めいた喘ぎ声は止むことがない。>>0>>1
その映像時折漏れる声。]
……リツ。
[ふと、思いついたように呟いた。
腰の尾に手をやると、そこから細く黒い触手が這い出してキルロイの腰周りを覆う。きゅ、と革が締まるような音を立てて、簡易な下着にした。
丁度その形は、リツの履いていたショートパンツのようなもの。満足そうに頷き、裸足で廊下を歩んでいく。
身体の内側では今も欲が湧き出して、キルロイの理性を奥の奥まで壊し続けていた。
今、その欲は一点を目指している。残響と残り香を頼りにしながら、その足取りに迷いはない。*]
(17) 2016/06/15(Wed) 13時半頃