俺の親父の事を知ってるなら分かると思うが、俺の一族は魂をも食べる事が出来る。
肉体にある魔力だけじゃなく、魂に宿ってる魔力すらも食べれる。
[この場に漂う死霊も人魂も無く、食べる機会が無く、食べる事は無かった故、誰にも話した事は無かったのだが。尤も、父は冥界から逃げ出す魂を喰らうだけだったし、自分は魂を喰らえだのはほんの数回程度しか無い。]
早々美味い事は無い、って事か。
もし耐えられなかったら、どうなるんだ?
[そんな疑問をノストにぶつけながら。
脅威の回復力と、軒並み外れた怪力を手に入れられる。
此れ程自分に似合う様な力が手に入れられるのか、されど上手く馴染まなかったら?
考えが迷いを、躊躇いを生じさせるのだが、脳裏に浮かぶのはグロリアの言葉>>1:347。
背中を押す彼女の言葉は、自分に決断を下す力をくれた。]
よし、吸血鬼になってやらぁ。
強くなれるなら、俺は歓迎するぞ。
しんどいのに耐えればいいんだろう?
[そんな問い掛けをすれば、大きく大きく息を吐いてから。
襟を引き、吸血鬼の眼前に首筋を曝け出す。その首筋には、父と決別した際に付いた傷痕が残されていた**]
(17) 2015/08/05(Wed) 01時半頃