―回想・5月1日午後8時過ぎ、繁華街の寂れた酒場―
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……やっぱ、あんた俺とヤリてぇんじゃねーの?
[幾分か気の抜けた声は男に対する…というよりは己に対しての呆れだったのかもしれない。適当に切り上げておけば良いものの何故か逆撫でされた気持ちを収める事が出来ない理由は、その内容ではなく『彼』が発した言葉だからかもしれず。
噛む程に疲れるばかりの肉は早々に諦めて汗の浮いたジョッキへと手を伸ばす。酒に強い訳ではない、けれど酔いで紛らわしたかった]
相変わらずだよ、あんたが覚えてるよりはずっと歳食っただろうけどな
……人、だろ
心臓撃ち抜かれれば死んじまう、ただの人、だ
[片手上げてマスターを呼び寄せエールをもう一杯、と声を掛ける。リストの並んだ紙は手馴れているだろうトレイルの事、隠してくれていると、そこは信頼をおいて。
人――なのだ。感染していても人である事には代わりはない。少し神経が変性しているだけのただの人間。だけれどそれを撃ち殺す。同じ人間を、理由をつけて、殺す…あまり考えたい事ではないと、残り少なになったジョッキの中身を飲み干して酒臭い息を吐き出した]
(17) 2013/07/23(Tue) 09時半頃