『ドナルドと関わるのは止した方がいい、
奴は小悪党だぞ』
[そう忠告してくれたオヤジは、きっといいオヤジなのだろう。
もちろん、ホレーショーにだって、ドナルドがロクでもない奴だってことくらい、分かっている。
小男だが、それでもギャングの下っ端だ。あの片目の狡猾な色といったらどうだ?
ホレーショーに渡るはずのファイトマネーを、随分ピンハネしていることだって知っている。
しかし、ホレーショーには彼の他に頼るつてはなかった。
酒場の用心棒だとか、港の荷物の上げ下ろしだとか、今までだって何度も「まともな」仕事に就こうとしてみたのだが
店の小銭があわないだとか、運んだはずの荷物の位置が違うだとか、
その度にいつも何かしらうまくいかず、数日でクビになってしまう。
そうやって、結局はドナルドの元に戻ってくるしかなくなる。
頭を下げ、どこかでストリートファイトはやっていないかと尋ねることになる。
そして、その度にピンハネの量は増えて行くのだ。
(17) 2014/01/18(Sat) 03時頃