[引き裂かれた白く柔らかい肌。 どくどくと流れる血は未だ海を広げていて、 まさに今殺されたばかりなのだろうと判る、死体。 とろり、瞳を溶かしてふらりと足を踏み出し、脇へと屈みこんだ。 手を伸ばすと、まだ、暖かい。] …―一緒に、本、見たかったんだけどな…[呟いて、その頬へと手を添えそっと撫でた。 柔らかい、白く滑らかな肌。 手をそのまま滑らせて首に鎖骨、肩口まで撫でた所で、 指先に鋭い爪が現れ、ぐに、と、めりこんだ。 そのまま ぶちっと表面の肉を引きちぎり、口元へと運ぶ。 赤い舌の上に乗せて奥歯で噛むと、くに、と弾力を返してきた。]
(16) 2010/05/20(Thu) 14時半頃