[恍惚から引き戻されたのは、吸血鬼にならないか、という言葉。
学が足りない犬でも吸血鬼になる方法は知ってる。
人間が吸血鬼に血を吸われ、吸血鬼が血を与える事により生まれる存在であって、吸血鬼が悪魔を吸血鬼化させるなんて知らなかった。
自分が知ってる常識を、目の前にいる吸血鬼が覆して来ようとしてる事に、犬は間抜けな顔を晒してしまう。]
なれるのかよ、悪魔が吸血鬼に。
[吸血鬼が吸血鬼としての成り立ち、即ち『概念』を説明されるのだが、犬にとって難しい話で、頭の中にいっぱいハテナマークを浮かべてる。
首を捻って考えてみるが、答えは未だに理解は出来ず。
そうしている間に傷口が閉じられてしまうのだが、それに気付く事は無く、続く説明を聞いていて。]
俺の元の能力……。
[先ずは鼻の良さ、普通の匂いもそうだが、魔力の匂いをも嗅ぎ分ける事が出来る。多少距離はあっても存在を知る事は可能。
この犬が持っている能力はこれだけでは無かった。]
(16) 2015/08/05(Wed) 01時半頃