[>>8飛び出した寺田にもう一度体をびくつかせて、おろおろと辺りを見渡した。
おかしい、何かが、起こっている。得体の知れない事が。
何か、よくない事が。
いてもたっても居られなくて、思わず立ち上がる。怖い、けれど、何も知らないことはもっと怖い。確かめないと、ここが一体なんなのか。]
わたし、私、寺田くんをおいかける!
[そう言って、教室を飛び出した。
シンとした校舎に、まだ先ほどの残響が聞こえる気がして。耳の奥がわんわんしている。走るのも遅い…は寺田をすぐ見失ってしまいそうになるが、その直前で走る寺田の背中がぴたりと止まった。やっと、おいつく。肩で息をしながら、寺田の横に並び、彼に話しかけた。]
てらだくん、どうしたの、なにか、みつけた、の?
[そのまま、彼の表情に気付いてぴたりと声を止める。そのまま、視線を彼が見ている方へとやって――]
[真っ赤に染まる、マネキンに、…は知らず知らずのうちに悲鳴をあげた。]
(16) 2015/06/22(Mon) 00時半頃