あ。
[品定めしていたら、たった今酷評したまさにその人物が、扉へと顔を向けた。そして歩いてくる。これは少しまずいかもしれない。
と思った時には、すでに扉は開け放たれていた]
ひゃああっ。
[思わずすってんと尻餅をついてしまう。大丈夫、制服のスカートの下にはスパッツを履いている。パンツは見えない。
フィリップの視線が胸元に注がれていることに気づくと、思わず「はれんちなのです!」と非難しかけたが、フィリップのセリフに魔法学科の杖のモチーフを確認されたのだと悟り、その言葉は飲み込んだ]
自覚がないのだとしたら、ますます救い難いのです!
[蔑むような眼差しに、ますますその確信を深める。ミームは物怖じしない。この程度を恐れていて、勇者パーティーのメンバーが務まるわけがない]
あなたの役どころは、噛ませ犬とか当て馬とか、そういうやつなのです!
でも、そういう役どころも重要なのです! ますます勇者様が輝くのです!
ですから、精々頑張ればいいのです!
頑張りによっては、勇者様の最大のライバルくらいにはなれるかもしれないのです!
[大真面目にフィリップの神経を逆撫でした]
(16) 2015/04/19(Sun) 16時半頃