[ひとしきり笑った後、気を取り直して咳払いをひとつ。
このままでは、いつまでたっても話が進まない。]
私、これまで人間に深く関わったことがないの。
人間が住まう国に腰を落ち着けるのは、これが初めて。
だから、彼らにとっても興味があるわけ。
[体を前に乗り出し、卓に頬杖をつく。
空いた左手がゆらりと動き、次々とその場に居る者を指さして]
たとえばリリス、君たち悪魔は等しく悪。
フィリップたち天使は善、わかりやすいわね。
――けれど、彼らは違うでしょ?良いも悪いもごちゃ混ぜで、複雑だわ。
だから、この際、一度はっきりさせてみたいと思うの。
[統べる民のことを知らないなんて、君主失格でしょう?なんて。
尤もらしいことを言ってはみるけれど、そんなのは後付けのこじづけだ。
本当はただ、好奇心と思いつきのままに動いているだけ。]
(16) 2014/12/23(Tue) 13時頃