[咄嗟に、ノブのないドアの端を手で持ち、閉める。
キルロイは、今点滴が外れていて。すぐにでも医務の対応が必要なのに。
この状況を、これ以上の人に見られたくなかった。
それが、唯一、欠片ほどの大きさで残っているキルロイへの敬愛と、亀吉の尊厳を守る気持ちと。
……特に、影流には、見られたくない。
またしても浅ましい、独占欲だった]
影流、どうしたの?
戦闘はもう終わったみたいだよ。
[しかし、ノブも鍵も溶け落ちたドアだ。完全に閉めることなどできず、四井の手で持っているだけ。
力づくで開けることだってなんら可能だし、隙間からは中の声が漏れているかもしれない。
いつの間にか、廊下に生える触手は太く強靭なものへと変わり、スピーカーからは何やら小さなノイズが響いている。>>10
影流がそれに気を取られてくれることを、願った*]
(15) 2016/06/13(Mon) 16時頃