[己はキルロイの救出に関わるどころか、キルロイと共に捕われていた側だ。故に会議に呼ばれたのは、キルロイ救出当時のビル内の状況説明についての証言の間のみ。
議場に己の席はなく、証言さえ終われば外に出される。
正確な情報共有を目的とするならば、それは正しい判断だ。
普段の通り己の研究室に向かう途中、>>8スタンドが転がる音が響いてくる。
己の傍にいたはずの監視者は、キルロイの姿を認めた途端に何処かへと去っていく。
毒を含ませた者は皆、暗示がある以外は普通の人間と同様だ。
彼の発する淫気に充てられたことは容易に知れる。]
……ロイ。どうした? 何があった?
[気遣う素振りで様子のおかしいロイに手を伸ばし、腕を掴もうとする。顔色を伺おうとするように、顔を近づけた。
丁度、会議の終わる頃合いに広がる魔力の気配。
それを察しながら、今はまだ、顔色一つ変えぬまま。]
(15) 2016/06/07(Tue) 09時頃