― コンソールルーム ―
(>>1)
イースター! 助かるよ。そうだね。まずこの差し迫った身の危険というものを排除しなければいけない。誰が無事かはわからない! 現状、いつ生じるかわからない各エリアでの異常動作を検索するのに手がふさがっているんだ。
[人間は簡単に死ぬ。機械というものは、幾重も重ねられた安全策によって万が一を取り除くが、そこで行っているのはシビアで紙一重のパズルなのだ。重力発生装置が急に出力を上げれば、人がトマトピューレか何かになるのはたやすい]
[聞こえてくる音、やりとり、それらからナユタに何かがあったということがわかる。船外活動準備室にあるマイクとカメラをオンにすると、そこでのやりとりがなんとなくわかった。なんとなくなのは、私までもが彼を心配している暇というものがなかったからだ。
それでも、心拍数は高まる。共に旅した仲間に、何か危険が及んだ。そのことが極めてショッキングであるし、我々の命もまた同様にその危険のさなかにあるという事実を知らしめているからだ。
だからなおさら、私は持ち場を離れるわけにはいかなかった]
(15) 2016/05/16(Mon) 06時頃