―回想・5月6日午前11時、町会議所付近・密談―
[移動後。]
……情報は2つ。まず1つ目。
……そういうこと、したいわけじゃないからね。
[それだけ言うと、彼女はパーカーのフードを脱ぎ、右の肩口を露にする。そこには、真紅の傷跡がいくつか、生々しく残っていた。]
……見ての通り、ドジ踏んだ。作り物を晒してるだけの自殺志願者だとでも思うなら、弾抜いた拳銃でも持ってくればいい。両手で真っ二つにして見せるから。
ほんとは生きてみたかったんだけど……「あいつ」に殺されるくらいなら、自分の意思で死んだほうがマシだよ。
……2つ目。
[ここで一端切る。本当は……厳密にはこの先は正しくない。自分の意思でまた一人殺すことに、自分は耐えられるかと自問。耐えてみせると自分に答えて]
……あたしを噛んだのは、パティって女。
以前……確か、5月3日の朝7時頃、チアキに何かを渡してた女だよ。
[以前のこと(>>1:70)を思い出しながら、そう言う]
あたしを殺すのは別にいい。でもそれなら約束が欲しい……あいつも、平等に、殺して。
[吐き棄てるように、絞りだすように、そう言った]
(14) 2013/07/31(Wed) 13時頃