「誤魔化 うとして、諦める」これは、「そ」で……。
「どうしても、 よならしなきゃいけないの?」これは、「さ」。
「ばい い」これは、「ば」のはず。
「それか 、背を向けて、つ やいた」は、「ら」と「ぶ」かな。
「二度と会えない しても、私はい でも君のことを想ってるよ」これはきっと、「と」と「つ」。
[そうして、拾い上げた、七つの文字。
自分の本なら、ペンでなぞったりしてしまいたいところだけど、借りてきた本にそんなことするわけにもいかない。
でも、次に借りた人もきっと読みにくいだろう。
考えて、私は付箋を貼っておくことを思いついた。
できるだけ小さめの付箋に、一文字ずつ書いていく。それを、該当箇所に貼ろうとして]
……あれ。なにか……。
[並べた文字が、何か意味を持つ言葉になりそうな気がした。
偶然だと思う、けど。いや、そんなの、偶然に決まってるんだけど]
――――《空飛ぶ翼》?**
(14) 2016/04/14(Thu) 16時頃