― 城内:客室 ―
[ノストの後をついて行けば、再び城に入り、辿り着いたのはとある一室>>1。
怪我の事の話になれば、改めて自分の身体を見る。
所々痣や切り傷が有り、血が滲んでいるのが見える。
勿論、傷の痛みは今もあり、額が先程からズキズキと痛覚を伝えているが。
慣れというものは怖いもので、割と平然と振舞えたりする。]
傷は大丈夫だ、舐めときゃその内治る。
[影に包帯を持って来て貰う提案は、一応断りつつ。
吸血鬼は再び手をナイフで傷付け、赤い血を流す。
それを見て唾液を飲み込み喉を鳴らせば、手を差し出し、腰を下ろした。
犬は王の前に躊躇い無く跪き、垂れる手を取り尻尾を激しく振る。
ちらり、と見上げた後、貪る様に滴り落ちる血を滑る舌で舐め取って。]
はっ、…ふぅ、ぅ。
[再び感じる濃厚な魔力と、血の甘さ。
脳内すら蕩けさせる様な味に、舌は溢れる血を求め傷を舐める。吐息を吹きかけながら、血を舐める事に夢中になり、ノストの提案に気付くのが遅れた>>5。]
(14) 2015/08/05(Wed) 01時半頃