[懸命に首を縦に振ったり、横に振ったり。>>5:+111
静かに取り乱している様子に肩を叩けば、ようやく少し落ち着いた様子にホッとしつつ。
彼は、作家を目指しているわけではないらしい。
逆にらしくないことをやったことに対する、羞恥だという。それを聞いてもおかしいとは思わずに。
何を書いていたか、余計に気になってくるけれど。]
……言えないのか。それは、残念だな。
[内容を訊けばそれ以上は教えてもらえず。
無意識に眉尻が下がった。>>5:+112
なんとなく、教えてもらえるような気がしてただけに。
デザートの用意をしに冷凍庫へ向かう彼から手を離して。
ふと、気づいて苦笑する。
数週間前の彼の気持ちがやっとわかった気がする、なんて言ったら怒られるだろうか。
爽やかな柑橘系の香りを運んでくるシャーベットを前に、椅子に腰かけたなら。]
(14) SUZU 2019/08/07(Wed) 02時頃