ッ……いれて、いいから……[絞り出すような声は、興奮に少し掠れている。挿入を避ける気遣いだとか、項に触れた唇の優しさだとか、そういうものに俺は甘えることにした。団十郎が人の頼みを断れない性分だということは、学生時代から知っているし。] …………お前のが、 欲し、…………[たっぷりの沈黙と、たっぷりの間。それで俺がどれだけ苦心してこの台詞を吐いたのかを察して欲しい。気恥ずかしさと、引かれやしないかという恐怖がないまぜになって、俺は思い切り床に顔を伏せた。耳の端から項までが熱い。きっと赤い。――――初めてのドラマ出演でも、こんなに緊張しなかった。**]
(13) 2017/06/04(Sun) 12時頃