―朝/自室―
――…ッ、……。
……あー…、やな夢見た。最悪
[がばり、と起き上がれば、あの光景が目に焼き付いた儘繰り返す。一つ忌々しそうに舌打ちをして、寝台が降りた所に足をとん、と押されるような感触。
振り向けば、漆黒の毛並を持つ、小型の犬。謂わば忍犬としての役目も与えているその神獣は口元に文をくわえていた。それに気付けば、しゃがんでそれを受け取って、一つ頭を撫でてやる。]
……ああ、蒼燐。さんきゅ。
[中身を見やれば、どうやら指令書。寝る前に上官へと飛ばした案件への返答と、白への潜入任務。――…諜報活動と可能な限りの工作。それから、リストにある人物の暗殺、と割と忙しい。]
――…全く、人遣い荒いねェ。
そんなに人が足りてない訳でもなかろうに
[と言っても、『ある程度動ける』連中が少ないのだろうけど。ポケットに書を突っ込むと、身支度と共に、傍に置いておいた陰陽縛――鎖鎌を引き寄せた。]
(13) 2014/07/12(Sat) 11時頃