[見た目は30代前半。シェアハウスの近所を歩き回るときは179センチの身長を少し丸めているが、永遠の20歳だと豪語していた。
何故ハタチなのかというと、それ以下だと堂々と酒が飲めないからである。
はびこる悪を退治する掃除屋を自称していながら、実際は雑居ビルで清掃の仕事をしていたり、スーパーでレジ打ちをしていたり。かと思えば、赤い制服を着用してトラックでシェアハウスに、”白熊宅配便でーす、お荷物を届けに参りましたー”と配達に来たり。何の仕事をしているのか、住人―大家だけにはフリーターですと身も蓋もない現実的な説明はしてあった―には明言していない。
それでも住人を含めた知人友人には愛想が良い。まるでごろつき顔ながらもごろにゃんとすりよってくる野良ドラ猫のように人懐こく、雑談の折にはにこにこと笑顔を浮かべていることも多かった。
やがてがばりと起き上がると、あくびと共に大きく伸びをしたあと、ぽつりと呟いた。]
一仕事したあとは眠くて仕方ねぇな。手っ取り早く目覚まさないと。
[おもむろに手にした青ねぎの白い茎をぼりぼりと齧り始める。**]
(13) 2019/04/25(Thu) 13時頃