私だって…、君に触れてみたい。
……ふふ。潤んだ瞳も、綺麗だな。
[流れる雫を拭いとって、口元を緩める。彼がこんなに必死になっているのに笑うだなんて、不謹慎かもしれないけれど。
それでも涙に包まれて一層輝く瞳の美しさと、――彼が同じ気持ちであったことの、嬉しさと。表情が緩くなるのは、仕方のないことだと思うんだ。
本当は、彼の瞳に溜まる涙に、口付けを落としてしまいたいものだけれど。それはまだ出来ないから、手で我慢。]
……でも、ベネット。
私は君が消えてひとりになるのは嫌だし、懲罰房に送り込まれるのもごめんだ。
それと、……ひとりで消えるのも、怖い。
[今度は視線を逸らさないよう。彼の顔に手を添えたまま、柔らかく言葉を紡ぐ。
身勝手な言い分でしかないけれど。ひとりきりほど、恐ろしいものはないじゃないか。だから――]
(13) pochi_ro 2015/04/12(Sun) 12時半頃