[次いで聞こえた男の声。>>11
しかしその疑問は、ここに居る全てのものが抱いている事だろう。
その疑問を抱かぬとするならば、ここに自分達を連れてきた犯人か。
いまの自分の姿で青褪めた顔だけは本物だ。
声を上げた相手に視線を向けてはふるふると首を横に振る]
分かりませんわ……。
けれど、私たち、とんでも無い事に巻き込まれてしまったようですわね……?
[睫毛を伏せれば長いそれが目元に僅かに影を作る。
先程は悲鳴をあげ損ねてしまったが、少しはか弱い女を演じ直す事は出来ているだろうか。
そんな事を思い、ふと、ここに集まっている互いの名前も何も知らぬと思い至る。
辺りを見渡し、誰にともなくか細い声で名乗りを上げた]
何方か、火浦の家をご存知の方はいらっしゃいますか?
私は火浦の長女、櫻子と申します。
[その名乗りに誰かの反応はあったか。
壁際に身を寄せ、また暫し様子を伺うのだ]**
(13) 2016/02/23(Tue) 16時半頃