[フジノの疑問>>11に、ほんのすこし、躊躇った。
けれど、彼らには、自分のような手立てがないから。きっと、そうだ。不安の出処はそういうことなのだ。
だから、ニイ、と歯を見せて笑う。]
安心してよ。俺が、みんな迎えに行くから。
ヨリとも約束したんだ。すぐに追いかけるって。
記憶がなくなったって、三人のことは、見つけ出すさ。
どんなに広くたってさ。きっと、そのために描いてきたんだ。
そしたら、また、フジノとサミーとヨリと俺でさ、今みたいに、暮らそう。
出会い直すところからでも、俺たちならきっとうまくやれるぜ。
[ヨリは、一人先に旅立って、寂しい思いをしているかもしれない。
たとえ彼らとの日々を忘れても、この、記録を頼りにすれば、たどり着けるはずなのだ。
そうだ、スケッチブックに記しておこう。彼らを探しに行くこと。
この平たい世界に登場する、三人の友人たちを、必ず見つけ出すように、と。
記憶がなくなった自分にもわかるように、メモしておこう。
それは、そう悪くない提案に思えた。
そうすれば、4人でまた笑い合える日が、来るはずなのだ。**]
(12) 2014/12/24(Wed) 21時頃