―回想・5月4日正午頃、自宅―
>>10
[パティを見て自分の過去を思い出したせいか、以前あの青年から貰った児童書をベッドの脇に椅子を持ってきて読みふける。そうすると時間がいつの間にか経っていたのかベッドの上の少女が身じろぐのを感じた。意識を現実に戻し、声をかけようとする。]
あ、起きた。
体調はど…!?
[「どうかしら?」と続こうとした言葉が腕を引っ張られることで遮られる。驚愕に見開かれる瞳。本を持っていた為に咄嗟に動くことも出来ずに、ただ少女の顔の方向に首を向ける。]
パティちゃん!?
[声を上げれば動きの止まった彼女。持っていた本を脇に置き、空いた手で掴まれていた方の手をほどく。そのまま両手で彼女の手をつかみ、驚かさないよう先程とは違い、意識して優しく聞こえるよう、追い込まないようゆっくりと彼女の名前を呼びかけた。]
パティちゃん?
(12) 2013/07/27(Sat) 02時半頃