― 昨夜、漁村
[僕は思いのほか上出来の仕上がりを見せた鹿肉>>1:227を、にっこにっこしながらそこら辺の大きな葉っぱで小分けに包む。
ここに居ないフランクの分は、持ち歩いていればそのうち渡せるだろうと、バーナが下げてる袋をチラチラ見ながら”これちょっと入れといて”アピールをした。
戻って来ないフランクを漆黒の夜空を仰いで探すけれど
僕の脳に響くのは、ながい ながい 寝息だけ。
僕は夜の奇襲も考えて、通信オンのまま程近い3軒の家で一人ずつ寝よう、と言ってみたけれどそれはどうだっただろう。
誰かに何かあった時、場に全員が居るよりは、別所から現れたほうが相手にプレッシャーになると思って。
どうなったにせよ、僕はひとりでないことに
安堵よりも嬉しさのようなものを感じながら
ちらちらと揺れる潮騒の向こうへと 意識を手放した。]
おやすみ。
(12) 2015/03/08(Sun) 13時頃