―― すばらしいともだちの話 ――
[15歳。受験も近いシーズン。
あたしの学校は、3割くらいが農業の専門学校にいくんだけど、あたしはその道を選ばなかった。
その頃には、髪色はまだおちついてないけど、
ちょっと爪にマニキュアをぬってみたりとか、眼鏡をやめてみたりとか。
おんなのこ、をすこし意識するようになった。
それの何がきにくわなかったのかしらね。
クラスでグループをつくっていた上位気取りの女子たちが、あたしをとりかこんで、色々言ってくるようになって。
挙句には、優しく話を聞いてくれたフリをして、CDを貸してくれっていってきたから、その通り持ってきたら、目の前で円盤をぐしゃりと足でふみつぶされた。
昔のあたしだったら、多分、泣いてた。
そういう反応をまってたんだとおもう。
―――でも、もうそんなものは怖くなかった。]
(12) 2016/06/09(Thu) 07時半頃