[聞き覚えのある声にはぽむり、と手を叩いて。
そういえば、さっき彼もおねーさんとお話していたっけ、と。
何だか仲が良さそうだったようにも見受けられたし、知り合いなのかな、とも思ったけれど――、
あんまり深入りしてしまうのは失礼だろうか。
そう考えつつ、普段は徒歩通学の自分からすれば憧れである満員電車についての話題を口にした。
相席の誘いには断る理由もないし、
寧ろこの状況下で一人で居るのは心細いのもあって大きく首を縦に振り快諾した。
置きっぱなしにしていた鞄が邪魔にはならないだろうか、と気を遣ってはみたが、
どうやら彼は鞄の隣の席に腰を下ろしたようだ。>>1:44
それを確認してから、彼が声を掛けたマスクを付けた短髪の人物>>1:25の方へと視線を向けたが、
――聞こえていなかったのだろうか、相手はそのまま他の会話をしているグループの方へと行ってしまったようで。
暫くその様子を心配そうに眺めてから、青年の正面の席に座るだろう。]
(12) 2016/08/15(Mon) 00時半頃