[ ──どうか訂正させて欲しい。
リボルバー式の拳銃には手動で操作する安全装置は基本的には存在しないのだった。銃の取り扱いを教える際(>>4)は、安全装置ではなく撃鉄の操作方法を少女に教えていただろう。
彼女が確認した操作(>>10)も、撃鉄の上げ下げであったはず。指を挟まないようにということと、下げる動作はゆっくりやるようにと、追加で安全のための指示をしておけば、賢そうな彼女はきっとすぐ理解してくれて誤射も怪我もなかったはず。
重たげに持つ様子を見れば敵にあてるのは難しそうだと考える。まさか周囲の者に発砲することを思案しているとは想像に及ばないし、しっかり操作を覚えたらしい様子が見て取れればささやかな達成感を得ていた。]
……名前、ジョセフじゃねーんだ
[ 刃こぼれのナイフは返し、渡して貰えた資料に目を通す。広場で会釈しあった者の情報が載っているようだった。真っ先に漏れたのはそんな感想。
周囲を観察する目は同業者のそれを感じたもので、そこは当たっていたようだ。けれども名乗られた名前が異なる。警戒する気も偽名を用いる気もわからなくもないが、ほんのすこし、悲しさを覚えなくもない。]
(12) 2016/03/02(Wed) 12時半頃