[道中、どれだけ見えてるのかと言いたげなホレーショに、今後のためにも説明はしておこうかと。]
シャチは音の反射で何があるかを視る。
…同じことが出来れば便利だろうってね。
[右手の指を目の前でくるくると回す。
能力にその動作は全く必要なかったけど、その方が電波受信っぽくみえて、つい回してしまうのだった。
そうして、両脇にある木の本数を遠くの踏切の前まで数えて、死角の位置に小さな花が咲いていることまで言い当てれば、少しは驚かせることができただろうか。]
でも「形と材質」しかわからないから…
例えば、何が書いてあるかやどんな色をしてるかまでは、目で見ないとわかんねえのさ。
[端末をかなり目に近づけていたのはそういうことだった。
カフェで転んだのは、能力を使ってなかったからなのだけど。
でも、能力をサボったり視えることに慣れなかったりで…転けそうになることは多々あったから。
「完全には見えないんだ」と一括りにして誤魔化した。]
(11) 2014/12/12(Fri) 13時頃