『いいですよ。他の教科もいりますか?』[授業が終った後で渡したノートをきっかけに、七五三とは少し仲良くなれたように思う。一度身長のことを聞かれた時には、にっこりと笑って「どうせ160ありませんよ」と軽口を叩くくらいには。文化祭の出し物を決める際に、映画をつくってみようと沸き七五三を期待の目で見る生徒達に、僅かに眉を潜めるくらいには。彼はお金を貰って演技をしている、プロだ。空気を読んで手を挙げた七五三に背を向けた。黒板にチョークを動かしながら、郁は不快感を飲み込んだ。]七五三くんは、プロですから。無報酬の演技なんて、無理にやらなくていいんですよ?……七五三くんがやる気なら、応援しますけど。[ホームルームが終わった後に、そう言ったことを覚えている。*]
(11) 2015/07/06(Mon) 00時半頃
sol・la
ななころび
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