[彼の遠慮は右から左へ抜けて行く。
謙虚も美徳のひとつだと理解しているが、自身の落ち度で彼に傷がつくのは許せない。―――― 故意である場合を考え掛けて、また脱線しかけた思考を蹴り飛ばし軌道に戻す。]
あれ、子供に人気なんですよ。
指差し喚呼と言うんですが、手振りが大きいから。
実際は信号を確認しているだけなんで、
あれを合図に発車するのではないんですがね。
[派手なパフォーマンスは白手袋も良く映える。
そのまま記憶の糸を辿ればあまり上手くない彼の言い訳を思い出した。>>3:45
その時に察するまでいかなかった己が言えた義理ではないが、彼にも不得手があるのだと知って少し胸が弾む。
多くの人が知り得ないだろう彼の一側面。
彼と共にいると己は言動が可笑しくなるけれど、それ以上に見つける喜びが多い。]
(11) 2019/08/03(Sat) 01時頃