[ 家庭の事情を理由にして、自身に非はないと庇い
彼自身の勝手だと引き渡された見解は
まるで彼が罪を被るような言い様だ>>138
だが――――そうではない。
身体を置いても心を置けない国にしないように
自身は彼に、母国語を教えた。
しかし、彼の国の言語を習ったのは
娘のことが発端ではあったが、切っ掛けに過ぎない ]
いや……。君の見ていた景色、口ずさんだ曲を
君の国で見て、……聞いてみたい と。
[ だが――できればその時に彼が居てほしい。
きっと、彼のこれまでを共感することができても
帰国してからの答え合わせでは遅すぎるし。
隣には、彼がいないと意味の無い旅行なのだ。
実際に今、彼の存在が欲求を動かしている。>>139
向こうで見る景色や音色も、一輝が隣に居ることによって
良質な景色と音楽から心を揺さぶるものに昇華される ]
(11) 2019/03/31(Sun) 10時頃